通りdomaの家

  • 2021
  • 所在地:神奈川県鎌倉市
  • 用途:個人住宅
  • 延床面積:151m²
  • 構造 規模:木造 地上2階建
  • 設計:TAKiBI
  • 共同設計:KiKi ARCHi
  • 構造:広田一級建築士事務所
  • 写真:Koji Fujii

神奈川県鎌倉市の海の近くに建つ夫婦と子供のための住宅。敷地は閑静な住宅街に造成された大型分譲地内にあり、位置指定道路の終点に位置する一方で、裏手の1m程下段の道路にも接道しているという特徴がある。そこで、敷地の南北を貫通してこれらの2面道路を繋げるような半屋外の空間を「通りdoma」と名付け、そこから連続的に広がる室内空間を設けることによって、住まいと環境の心地よい関係性を模索した。
平面的には1Fに通り土間doma・吹抜けのリビング・ダイニングキッチンという東西方向の帯状の3層構成とし、2Fには居室と水回りをまとめ、回遊性のある動線を複数設けている。断面的には各階の床レベルを30cmスキップさせ、天井高さにも変化をつけることによって立体的なシークエンスを生み出している。
さらに、空間の境界を構成する壁や床には内窓や格子、スノコといった大小様々な形状の孔をあけることによって、多孔質なレイヤーをつくり出した。このことによって家族の気配やアクティビティに加え、光・風といった環境的な要素を建物の内外を行き交わせることを狙っている。
竣工後に訪れてみると「通りdoma」は近隣の子供達の遊び場や抜け道となっているようで、日光や海風を透過しながら暮らしが生き生きと滲み出る様子が伺えた。また、隣家も2面道路を接続する敷地内通路を新たに設けることになったようだ。
この住宅における試みが、都市の中に大きなスケールで立ち現れた大型分譲地内において、内に閉じられがちなコミュニティと周辺街区を接続するささやかなきっかけになることを期待している。

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