柳小路ハイツ

  • 2021
  • 所在地:神奈川県藤沢市
  • 用途:集合住宅
  • 延床面積:106m²
  • 構造 規模:木造 地上2階建
  • 設計:TAKiBI
  • 施工:瀬戸建設株式会社
  • 菜園協力:瀬戸谷のめぐみ茶
  • 写真:Koji Fujii(模型写真以外)
  • 空撮映像

コロナ禍において、職・住・農が近接する暮らしを目指して開発した菜園付き集合住宅のプロトタイプ。
緑豊かな郊外の住宅街にある敷地の環境条件を分析し、太陽光と卓越風を室内に最大限取込みながら、自然環境と屋内外が一体化するような建物形態を検討した。その結果、水回り+構造コアを納めた「閉じた箱」の両側に、南北に抜けのある「筒状の空間」を配置することによって、設計者のSOHOを含む4戸の明快な住空間を生み出した。
これら3つのボリュームは屋根勾配や内外の仕上げに変化をつけることで視覚的に分節し、周辺の低層戸建住宅郡に馴染ませている。また、屋根・壁の外断熱構法と外壁の窯業系サイディングを組み合わせることで、延焼ライン内の柱・間柱・梁・外装下地合板の構造体の現しを可能にし、間柱は本棚として活用している。室内の間仕切りや造作は住人がライフスタイルに応じて家具やカーテン等で自由に編集するというコンセプトで、こうした更新を住人でもある設計者がバックアップする体制が賃貸システムに組み込まれている。環境制御の手法としてはグリーンカーテンや雨水の自然放流のためのワイヤースクリーンといった、パッシブかつローテクな方法を採用しており、今後は雨水利用のための天水桶も制作する予定である。
敷地内には、自生するミカンや梅の木に加えて農家と共同で制作した住人用の菜園区画を設けると共に、お茶の木群を新たに植え込むことによって、収穫・体験ワークショップや野点等のアウトドアイベントの開催を計画中である。このような試みを通して住人のみならず周辺地域における住と農の近しい関係性を模索するための拠点となることを目指している。
このような「豊かな環境・明快な構成の住空間・暮らし」が融和し、敷地全体を環境共生の”場”として更新し続ける試みを通して、今後は別の敷地における同形式の集合住宅シリーズの展開も視野に入れている。

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